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2016 年 9 月

鶴ヶ島市の職員が市民アンケートの結果を改ざん!? 【追記あり】

鶴ヶ島市職員による市民アンケート結果の改ざん。

元自治体職員として気になるのは、「業務を改善したかった」という上司の職員の言葉の意味。

市民に対する行政サービスを改善したかったのか、自分たち職員の業務を自分たちが楽なように改善したかったのか。

当然、市民への行政サービスを市民にとってより良いものへ改善したかったという意味でしょう。

もしくは、市民への行政サービス向上に伴う職員業務の煩雑化に対し、行政サービス向上をそのままに職員業務を改善させたかったという意味。

このどちらかであるべきですが、どちらの意味だとしても、やり方が卑怯で間違っています。

正しいことをするのであれば、正々堂々と業務改善に取り組むべきでしょう。

正々堂々と取り組めないということは、やはり、筋の通らない正しくないことが目的だったのでしょう。

 

アンケートに「経費が無駄」だの、「総合受付方式にしたのはどうなのか」などと加筆していたとのこと。

経費が無駄ならそれなりの資料を作成して無駄さを証明すべきですし、総合受付方式にしたのはどうなのかを判断するのは利用する市民です。

この総合受付方式よりも市民が利用しやすく、経費削減できる方式があるなら、それを提案、主張すればよいだけのことです。

 

それなのに、なぜ、アンケート結果を改ざんしたのでしょう?

ただ単に、総合受付方式ではなく、長年続けてきた以前の楽な仕事の仕方に戻したかっただけでしょう。

それは、誰のためになるのか?

市民のため?、それとも、鶴ヶ島市職員のため?

 

 

市役所が市民へのサービス向上を実現する最も簡単で経費のかからない方法。

それは、職員が能力を向上させることです。

職員自らが様々な能力を向上させれば、それだけで行政サービス向上になります。

職員が学び、知識を得れば、業者の言いなりになることなく、予算を適切に使うことができ、経費削減になります。

場合によっては、業者に依頼せずとも職員でどうにかなる。

もっと身近で簡単なことであれば、入力のミスを無くし速度をアップさせるだけでも、市民へのサービス向上になります。

この程度のことは研修などせずとも可能でしょう。ゼロ円で実現可能です。

 

以前、住民基本台帳カードの電子証明書の交付を申請した際、帰宅すると市役所から、「職員のミスによりデータを削除してしまったので再発行しに来てください」と電話連絡があり、再度市役所へ足を運んだことがあります。

このようなことを無くすことも行政サービス向上と言えるでしょう。

まぁ、レベルの低い話ですが・・・

私が勤めていた自治体では積極的に外部の研修に参加し、職員の知識、ノウハウを高めていました。

それだけではなく、職員個人が専門雑誌や専門書を購読するなどして、常に学びつつ日々の業務に従事していました。

そのようなこともあり、私自身も独学でサーバやネットワークに関する知識、ノウハウを身に付けることができ、実際に、通常なら業者に依頼するような作業を職員だけで行い、業者への委託料を削減した実績があります。

学ぶのにそれほどお金はかかりません。

表面には見えない部分ですが、こういった面からも行政サービス向上を意識すべきです。

鶴ヶ島市の総合受付方式については、市民が良いものだと評価するならば、それを維持しつつ、職員の業務については内部で改善を図っていくべきでしょう。

優先すべきは市民へのサービスです、職員の仕事ではありません。

市民への行政サービスのために、職員の仕事、業務内容を改善していくのが筋です。

そのために、職員が能力を向上させるのは当然のことであり、向上心の無い職員はあってはならないと思います。

少なくとも、私が自治体職員であった頃はそう考えていましたし、同僚や上司もそのような意識を持っていました。

そうでなければ、一般事務職員で入庁した私がサーバやネットワークの設計、設定、保守管理、障害対応、配線作業、プログラミングなどできるようにはならなかったでしょう。

 

行政サービス向上は常に意識すべき。

そのためにできることは組織改正、高額な研修だけではなく、個人でもできることはある。

事を成すためには、本質を見失わずに筋を通すこと。

 

地元自治体にはこのような意識を持ってもらいたいものです。

 

 

余談ですが、以前、市長に対してメールを送ったことがあります。

是非、他の自治体の窓口業務を見て来てくださいと。

私個人の感想としては、以前の窓口業務は人が足り過ぎているように感じました。

私が勤務していた自治体の窓口は職員がカウンターに立ちっぱなしで、休憩時間でなければ自席でお茶など飲むゆとりはありませんでした。

私が勤務していた自治体でそれが可能なのですから、鶴ヶ島市の窓口でもそれが可能でしょう。

であれば、もう少し人員を減らし、少数精鋭を目指せば良いかと思うわけです。

しかし、職員に向上心やその意識が無く、旧態依然とした楽な勤務体制が良いと考えるならば、実現は不可能です。

そして、私たち市民も他の自治体の行政サービスを知る必要があると思います。

住民税は他の自治体とそれほど大差ないのに、他の自治体ではあるサービスが鶴ヶ島市では無いというものもあります。

知らないと損をすることにもなります。

 

 

【追記】

2016年9月13日、改ざんにかかわった職員とその管理責任を問われた管理職員に処分が下されました。

動機については、男性主幹が「窓口の一本化が問題で、窓口負担の軽減を図りたい」などと回答したそうです。

市民が窓口を行ったり来たりする負担を軽減したいのではなく、窓口負担の軽減、つまり、職員の業務の負担を軽減したいというわけですが、他の自治体窓口を見学してその策を練るのが正解だと思います。

アンケートを改ざんし、窓口一本化をやめさせ、以前のように負担のない業務に戻させようというのは、本質を忘れた筋の通らぬ行いです。

そんなことで物事が良い方向へと進むわけがない。(現に、新聞沙汰にまでなり、処分が下されたのですから)

市民が窓口を行ったり来たりせずに手続きを済ますことができる。これを実現させたうえで、職員の業務を工夫、改善して負担を軽減させていく。市民のために自治体職員が一時的でも負担を負うのは当然のことです。むしろ、それが仕事です。この本質を忘れてはいけません。それとも、職員の業務負担軽減のために、市民が窓口を行ったり来たりしろとでも?

東武東上線一本で東京23区の板橋区、豊島区の窓口を見学しに行けますので、是非一度見学なさっていただきたい!

どれほど、自分たち鶴ヶ島市職員の考えが甘ったれたものかがわかると思います。

もしかすると、鶴ヶ島市窓口職員1人の1日当たりの仕事量は板橋区窓口職員の半分もないかもしれません。

それでいて給与単価はそれほど差はありません。

鶴ヶ島市の窓口は午後5時には終了できることがほとんどかもしれませんが、板橋区の窓口が午後5時に終了することはほぼありません。

毎日のように午後6時、7時頃まで延長です。

私自身、豊島区や練馬区など23区はもちろん、立川市や横須賀市など23区や都に限らず他の自治体の仕事の仕方、導入しているシステムなどを視察し、自分が勤務する自治体の仕事の仕方、システムを改善してきました。

鶴ヶ島市も他の自治体の仕事振りをもっと知り、学ぶべきです。

自分たちの仕事の仕方にどれだけ無駄があるのか、自分たちの働きが足りているのかなどわかると思います。

そして、それらを改善することが、市民への行政サービス向上になるのです。

単に、以前に比べて仕事量が増え、それを負担に思うだけでなく、他の自治体の職員1人あたりの仕事量と比較したうえで、それが負担と言えるのかどうかを判断すべきです。

鶴ヶ島を基準にしてはいけません。

 

まぁ、これとほぼ同じ内容を現市長宛にメールで提言したのですが・・・

窓口を一本化するうえで、23区やその他先進的な自治体を見学していれば、このような甘ったれた職員による醜態を世間にさらすことは無かったかもしれません。


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